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白鵬翔 06年NEWS5

 3月日
<抜粋> 6日目 朝青龍、白鵬が無敗守る 大相撲春場所6日目
大相撲春場所(大阪府立体育会館)6日目の17日、横綱朝青龍は前頭・北勝力を寄り切りで破り、大関昇進のかかった関脇・白鵬は前頭・安馬を下手投げで下した。初日からの勝ち放しは、この二人だけ。   



 サンスポ 3月日
<抜粋> 6日目 朝青龍と白鵬が全勝キープ-栃東は1敗守り追走
○…朝青龍(危なげなく全勝をキープ)「(全勝が二人となり)白鵬はいい相撲を取っている」
●…安馬(白鵬に完敗)「自分はそんなに悪い相撲じゃないけど、白鵬は強いね。自分が太らないと話にならない」

白鵬、豪快な投げ「気合入りましたよ」
白鵬は同じモンゴル出身で好調の安馬を全く問題にせず全勝をキープした。「突っ張りたかった」と話した通りの完勝に笑みが広がった。幕内での初対戦に「気合入りましたよ」と白鵬。押し合いから左を差し、豪快に投げ飛ばした。相手の前に出る力が弱かったわけではない。白鵬の左胸は赤く腫れていた。突っ張りを堂々と受け止めての勝ちっぷりで、白星街道をばく進している。 



 サンスポ 3月
<抜粋> 6日目 白鵬は全勝キープ…ライバル安馬との対決制す
白鵬がモンゴル勢対決で完勝、全勝をキープした。突き合いから左を差して豪快に下手投げ。2大関を撃破した安馬を止め、「気合が入ったよ。(対戦は)十両以来だからね」とホオを紅潮させた。ともに父親がモンゴル相撲の力士。少年時代は控室でよく相撲を取った仲という。現在の番付は自らの方が上だが、同い年の安馬へのライバル意識は高い。これで幕内の勝ちっ放しは朝青龍と2人だけ。大関とりに必要とされる11勝以上まであと5勝。視界が開けてきた。   

◆白鵬に完敗した安馬
「自分はそんなに悪い相撲じゃないけど、白鵬は強い。自分が太らないと話にならない」



 デイリースポーツ 3月
<抜粋> 6日目 白鵬 モンゴル対決白星
大相撲春場所6日目(17日、大阪府立体育会館)、白鵬は立ち合い突っ張りで安馬を攻め、左を差した後すかさず下手投げを決めた。十両時代の03年春場所、寄り切りで退けて以来の対戦だったが、けいこでは胸を合わせており、お互いに手の内は知っている。「すぐ投げたのはしぶとい相手だから。安馬だけではなくみんなに負けたくないよ」と、モンゴル同郷対決の白星に笑顔だった。  



 毎日新聞 3月18日
<抜粋> 7日目
○白鵬 立ち合いが今ひとつでしたけど、下から下から行ってまわしも取れたし。(7連勝にも)気を引き締めていきます。   



 日刊スポーツ 3月18日
<抜粋> 7日目 白鵬快進撃、自己新の7連勝
大関挑戦の関脇白鵬(21=宮城野)が、自己新の7連勝をマークした。立ち合いで黒海の突き押しを浴びたが、低い姿勢から左上手を取り、右も1枚まわしをしっかりつかんで勝負を決めた。

これで今場所5度目の寄り切りでの白星に安定感が出てきたが、支度部屋では「良かった。精いっぱいです。立ち合いからまわしを取りたかった」と、謙虚な姿勢を崩さない。北の湖理事長(元横綱)は「安定している」と、相撲内容にも高い評価を与えていた。 



 サンスポ 3月18日
<抜粋> 7日目 すきなし白鵬、7連勝
綱とりに後がなくなった栃東とは対照的に、白鵬は大関昇進にまっしぐら。この日も黒海の突っ張りに全く動じず、万全の右四つで寄り切った。「立ち合いから追い詰めていって、途中からまわしを取りにいった」と満足げに振り返った。

初日から無傷の7連勝は関取になって初めて。8日目の千代大海戦に早くも勝ち越しを懸ける。「いい相撲を取れれば一番いい」と余裕たっぷりに話す白鵬には油断もすきも見当たらない。   



 スポニチ 3月
<抜粋> 7日目 ≪白鵬、朝青龍磐石≫
全勝の2人は盤石だった。新小結の露鵬を迎え撃った朝青龍は、右四つで組み止めて上手投げを決めた。「立ち合いはちょっと失敗したけど相撲は安定してた」と満足げ。土俵下で見守った魁皇の姿に「全然別の大関だよ。感動した」とうなった。一方の白鵬は、黒海の突っ張りに全く動じることなく自己新の7連勝。「ここまで7日間取った相撲で臨めばいい相撲が取れる」と勝ち越しの懸かる千代大海戦に意欲を燃やした。



 サンスポ 3月
<抜粋> 7日目 白鵬が大関とりへ爆進!初日から自身初の7連勝
腰が決まる。下がらない。立ち合いで相手に突っ張られた白鵬が、あごを引いてガッチリ受け止めた。左まわしを引いて素早く右上手を取ると、落ち着いて寄り切り。大関昇進へ、勢いが加速する。

「立ち合いでまわしを取るつもりだったけど、ダメだった。突っ張り合うつもりはなかったけど、勝ててよかった」。連勝に浮かれるどころか、今場所はまず反省が口をつく。だが、言葉とは逆に、土俵の姿には自信のオーラが漂っている。

初日からの7連勝は、自己最高。13勝を挙げた初場所は、同じ7日目に平幕栃乃花に不覚を取ると、中日に栃東にも敗れ連敗。それが尾を引き、賜杯には手が届かなかった。「支度部屋では先場所のことを考えたけど、土俵の上では全然、思わなかったよ」。9日目からこの日まで、場所をまたいで14連勝だ。

唯一心配される左足首の痛みは、慢性的に続いている。それでも、大阪・堺市の宮城野部屋で食事をするとき、白鵬は決して足を崩さない。足を伸ばすと、応援のため部屋を訪れるお客さんに失礼に当たる、と考えるからだ。モンゴル相撲(ボフ)で大横綱だった父・ジジドさん(64)譲りの負けん気。弱みは土俵外でも見せない。

風呂場から出ると、テレビ画面を見つめ、栃東が雅山に敗れた一番を目に焼き付けた。ダブル昇進はほぼ絶望的となったが、白鵬に油断はない。8日目は今場所初の大関戦となる千代大海が相手。「7日間取った相撲が取れればね」。このままストレート給金を決めてみせる。(江坂勇始)  

◆黒海
「突っ張っても下がらなかった。まわしを取られたら、相撲にならない。強かった」



 3月19日
<抜粋> 中日 好調千代大海だが力は白鵬が上
今場所の千代大海は序盤で白星が続いたが、実力はもはや大関を狙う白鵬が上と見ていいだろう。白鵬は立ち合いで左前まわしを引けば勝負ありだ。寄りでも投げでも、危なげない展開で白星をつかみそう。千代大海は突き放すしかない。機を見ていなすか、はたくかして白鵬の腰の構えを崩したときに、わずかなチャンスがある。   



 日刊スポーツ 3月19日
<抜粋> 中日 朝青龍と白鵬が無傷勝ち越し
<大相撲春場所>◇8日目◇19日◇大阪府立体育会館
大関とりの関脇白鵬(21=宮城野)が、自己記録を更新する初日からの8連勝をマークした。今場所初の大関戦となったが、千代大海をはたき込んで無傷で勝ち越し。横綱朝青龍(25=高砂)も黒海の挑戦を退け、全勝を守った。
横綱挑戦の大関栃東(29=玉ノ井)は不利な体勢をしのいで琴光喜を上手投げで下し、連敗を阻止して2敗をキープした。 



 毎日新聞 3月19日
<抜粋> 中日 ◇大関昇進の目安まであと3勝…白鵬
大関昇進がかかる白鵬にとって初めての中日給金直し。大関取りはおろか、初優勝の可能性さえ見えてきた。

後半の上位戦に向けた初戦。押し相撲の千代大海を相手に、「いかにまわしを取るか」がポイントだった。立ち合いの当たりは五分。先場所以降さえる左足の踏み込みは鋭く、腰はしっかり落としていた。だから動じない。突っ張り合いを制すると、素早く中に入って双差しから左下手を引き寄せ、狙い通りの相撲かと思われた。

だが、ここからがいつもの前へ出る相撲と違った。まわしを放すと、左手で千代大海の首根っこを抑え込んでのはたき込み。「組んだ時、大関の足が流れていた」と白鵬。流れた足を見たわけではない。「体が倒れているように感じたから」と、一瞬の感触とひらめきを攻めに生かした。

それでも引いた相撲に満足できないのか、「早く勝ちたいという気持ちが、あったと思う」と笑顔はない。ここ2日間、「体は疲れているのに、寝ようとすると頭が相撲でいっぱいになる」と眠れぬ夜を過ごしていたことを明かす。誰もが認める「勢い」を手に入れても、やはり人の子だ。

大関昇進の目安となる11勝まで、あと3勝。「残り(の勝ち星)を数え出すと緊張してくる。優勝を狙う気持ちでちょうどいい」と北の湖理事長。高いハードルではない。【和田崇】 

●…千代大海(3連敗)「負けたけど、力は出ている。でもおれもうかうかしていられない。早く(連敗を)脱出しないと」



 時事通信 3月19日
<抜粋> 中日 朝青龍と白鵬、無傷で給金直
大相撲春場所8日目(19日、大阪府立体育会館)
横綱朝青龍と大関昇進を目指す白鵬がともに無傷で給金を直した。朝青龍は黒海を寄り切り、白鵬は千代大海を安定した取り口で下した。大関かど番の千代大海は3連敗。   



 読売 3月19日
<抜粋> 中日 初めての重圧、眠れぬ白鵬
よく腰を落とした立ち合いで千代大海の圧力を受け止め、もろ差しで出たところまでは快調。右のまわしが切れると、足を止めた。相手の出方をうかがいながら、うまく回り込んで無難にはたき込んだ。白鵬は「早く勝ちたくて引いちゃった」というが、土俵中央に常に自分の体を置く内容に落ち着きを感じた。

ただ、前日までの上手まわしを引いた力強さが、今ひとつだったのは、気がかり。白鵬は、「ここ2日間、眠れない」と打ち明けた。抜群に寝つきのいい21歳が、この日は午前4時まで目がさえたそうだ。朝青龍とトップを並走しながら大関戦を迎える展開の緊張感からか、布団の中で油汗をかき、「寝ようとしても、頭の中に相撲のことばかり出てきた」。

入念な朝げいこを今場所、初めて休み、昼寝で体調を整えて場所に臨んだ。熊ヶ谷親方(元幕内竹葉山)も「強心臓のあの子でも、初めて感じる重圧なんだろう」と変調を感じている。

9日目は琴欧州が待ち受ける。寝不足が続けば大関戦は厳しい。北の湖理事長も「これからは一つ一つ緊張するよ」。正念場が訪れつつある。(込山駿)



 スポニチ 3月
<抜粋> 中日 白鵬“座禅効果”で大海に雪辱
大相撲春場所8日目が19日、大阪府立体育会館で行われ、白鵬が大関昇進へ向けて自己記録を更新する無傷の8連勝。今場所初めての大関戦で千代大海を撃破し、朝青龍とともにストレートでの勝ち越しを決めた。21歳の大器は、大関のみならず初優勝も見えてきそうな勢いで快進撃を続けている。1敗は平幕の若の里1人となり、2敗には栃東ら8人が並んでいる。

真っすぐではなく、少しうつむき加減に一点を見つめていた。白鵬は土俵下の控えで腕を組み、じっと取組を待った。勝ち越しのかかる大関戦で土俵に上がっても、気持ちに揺らぎはなかった。

立ち合いは低く踏み込み、まわしを取ろうともう一度体をぶつけた。千代大海に突っ張られながらもろ差しになったが「大関の足が流れて体が倒れている感じだった」と突然差し手を抜いた。「連勝しているから、早く勝ちたい気持ちになったかも」。はたき込んでの勝ち方は多少危うかったが、無傷の8連勝を飾った。

昨年九州場所で千代大海と対戦した時は、取組前に土俵だまりで不敵な表情を浮かべる大関と目が合い“挑発された”と思い込んだ。老かいな大関のワナで、頭に血が上って心を乱し、相手のペースに巻き込まれて黒星を喫した。その反省から先場所前に組んだ座禅の経験も生かし、2場所ぶりの再戦では落ち着きを保った。

昇進の目安となる12勝には十分手が届きそうな勢いだが、気が休まることはない。自己記録の6連勝を更新してから夜はあまり眠れていない。「寝ようとするんだけど、頭の中に相撲のことしか浮かばない。だから寝られない」。前夜もなかなか寝付けずに、午前4時の相撲のダイジェスト番組を見てから眠りについた。連勝、大関獲り、初優勝。忍び寄るプレッシャーとも闘いながら後半戦に突入する。   



 中日 3月
<抜粋> 中日 白鵬 大関&V射程
大関昇進を狙う関脇白鵬(21)=宮城野部屋=はかど番の大関千代大海をはたき込み、8連勝で勝ち越しを決めた。横綱朝青龍も譲らず、黒海を寄り切って8連勝。大関陣は綱とりに後がない栃東が関脇琴光喜との熱戦を左上手投げで制し、連敗を免れて2敗をキープ。琴光喜は2敗に後退。かど番の魁皇は玉乃島を押し出して4勝4敗とした。琴欧州(23)=佐渡ケ嶽部屋=は岩木山を左上手投げで退けて6勝2敗。全勝の2人を追う1敗は平幕の若の里1人、2敗は栃東ら8人。十両はホープの把瑠都が8連勝で単独トップ。

大関とりが懸かる白鵬が8戦全勝で給金を直した。

「負けないままの勝ち越しはうれしい」と白鵬は素直に喜ぶ。この日の相手はいくらかど番といっても大関千代大海だ。しかし誰もが白鵬の勝ちを予想していて、それが当然のごとくの結末を迎えたのだから。

千代大海は当然のように左、右と突っ張りを繰り出してきた。張り手も一発飛んできた。だがこんなものは今の白鵬には威嚇にもならない。白鵬は体勢を低くして、簡単に相手の当たりを止めた。「でもあんなところで引くなんて駄目だよね」とまるで負けたような口ぶり。それは左手で大関の頭の後ろを押さえてはたき込んだからだ。「大関が倒れ込んできたから思わず引いてしまった。やっぱり勝ち越しを意識していたんだろうね」と白鵬は余裕を持って振り返る。

もっとも白鵬も人の子。勝ち続けてきて、眠れなくなってきている。もともと無呼吸症候群の持病があり、就寝の時は補助器具を使用している白鵬。この2日間はとくに眠れない。「頭の中は勝負のことを考えると駄目。きのうはテレビの(相撲)再放送を見て朝4時ごろまでウトウトしてた」。昇進と初優勝が射程に入ってきて、白鵬の周囲も騒がしくなってきた。「気にしないようにしているけど、集中できない感じ」と打ち明ける。

北の湖理事長(元横綱)は「今場所にかける気持ちが表れていた。一日一番のつもりでいけば結果はついてくる」と期待したが、大関昇進の条件は12勝といわれる。それなら残り7日間で4勝。この勢いなら間違いなく達成される。 (近藤昭和)   



 スポーツ報知 3月
<抜粋> 中日 白鵬初全勝ターン 大関“当確”
大関昇進を狙う東関脇・白鵬(21)=宮城野=が自身初の全勝ターンを決めた。カド番の東大関・千代大海(九重)をはたき込んで無傷の8連勝。年6場所となった1958年以降、大関取り場所でストレートで勝ち越した11人は全員昇進しており、モンゴル人新大関誕生の可能性が高まった。賜杯奪回を狙う東横綱・朝青龍(25)=高砂=が無敗で並走。綱取りの東大関・栃東(玉ノ井)は2敗を死守。引退の危機に立つカド番の西大関・魁皇(友綱)は星を五分に戻した。

どちらが大関か分からない―。白鵬が、今場所初の大関戦で千代大海を軽く料理した。

立ち合いで突っ張りを食らい上体が起きかけたが、ものともせず前に出てもろ差し。相手のバランスが崩れたところを見逃さずはたき込む。現役の大関は、なすすべもなくバッタリと土俵に沈んだ。「まわしを取りたかったけど、大関の足が流れていたので」冷静な判断力が、大関取りへ大前進となる自己新の8連勝を呼んだ。負ける姿が想像できないほどの快進撃。大関昇進目安の12勝どころか全勝での初優勝まで現実味を帯びてきた。

「早く勝ち越したかった」土俵上では21歳とは思えない落ち着きぶりだが、ここ数日間は緊張感と闘っていた。「寝ようとするけど、相撲のことばかり考えてしまう。体は疲れているのに頭の中が興奮している」7日目の取組後は、午後11時過ぎに布団に入ったが、脂汗が止まらず午前4時まで寝られなかった。テレビで深夜に放送されている大相撲のダイジェストを見ながら、やっと眠りについたほど。この日は、育ての親・熊ケ谷親方(元幕内・竹葉山)がかけた3度のモーニングコールにも目を覚まさず、朝げいこを休んで心身の疲れを取った。

大関取りの場所で全勝ターンした例は、年6場所制となった1958年以降では11例。うち7人が横綱にまで上りつめただけに、白鵬の今後にも大きな期待がかかる。「前に出るいい相撲を崩さないようにしたい」冷静さと力強さ、そして漂う風格。大相撲の歴史に新たなページを加える可能性を持つ素質が、開花の時を迎えている。(斎藤 成俊)   



 サンスポ 3月
<抜粋> 中日 白鵬、プレッシャーで寝付けず
関取になって初めて、無傷での勝ち越し。大関とりを狙う白鵬が、これ以上ない形で前半戦を乗り切った。千代大海の突っ張りをどっしり受け止めてもろ差しになり、今場所初めて引き技を見せた。「引くのはダメ。早く勝ちたいから、引いてしまうんだろうね」と反省の弁。白星を重ねるごとに、少しずつプレッシャーを感じている様子で、前夜は10時過ぎに床に就いたが、結局朝4時まで寝付けなかったという。寝坊し、今場所初めて朝げいこを休んだ。「寝ようとしたら相撲のことが(頭に)浮かんだ。脂汗が出た。初めての経験だよ」。
  



 日刊スポーツ 3月
<抜粋> 中日 大関へ白鵬全勝ターン
<大相撲春場所>◇8日目◇19日◇大阪府立体育会館

 大関とりに挑む関脇白鵬(21=宮城野)が、自身初の全勝ターンを決めた。千代大海(29)をはたき込みで破り無傷の8連勝。重圧による緊張に耐えながら、内容よりも結果にこだわった一番で、今場所初めて引き技で勝利した。全勝は朝青龍(25)と2人。1敗で平幕若の里(29)が追う。横綱挑戦に後がない大関栃東(29)は2敗を死守、進退をかけて臨んでいる大関魁皇(33)は星を五分に戻した。

とにかく白星が欲しかった。千代大海の突っ張りをこらえ、白鵬が大木のような両腕を差す。ここから選んだのは勝利への最短経路だった。左からの投げで相手のバランスを崩すと、両腕を抜き上からはたいた。「早く勝ちたいって気持ちだった。前に攻めるのが一番だけど…」。素直な心の内を明かした。

今場所初の引き技は、重圧に苦しんだ末に繰り出された。前夜は午後10時半に床に就いたが、寝られない。「目を閉じると相撲のことばかり浮かんできて…。こんなの初めてだった」。自身初の全勝ターンに王手をかけ、未知の緊張に襲われた。やっと眠りに就いたのは午前4時のこと。3時50分に始まったNHKの大相撲ハイライトを見ながら、ようやく寝られたという。

今場所はあらためて、大関という地位の重みを知らされた。同じ一門の魁皇の存在だ。「いろんなことを教えてもらった人。(今の魁皇は)格好いいと思う。大関ってやっぱりすごい地位なんだよね」。前日は支度部屋でテレビにかじりつき、背水の陣を敷く大先輩に「よし、行けっ!」と我を忘れて応援した。

重圧を乗り越えた先には「頂点」が待っている。大関挑戦場所での全勝ターンは、49年夏場所の15日制定着以降で12人目。過去の11人は全員が大関に昇進し、うち7人は横綱に昇進。36年夏場所の双葉山以来、実に70年ぶり史上2人目の全勝昇進も夢ではない。

入門時から指導する熊ケ谷親方(元前頭竹葉山)は「緊張はこれからずっと経験していくこと。今回乗り越えれば自信につながる」と話す。9日目に大関昇進で先を越された琴欧州戦を控え、白鵬は「(勝ち越しても)あまりホッとはできないよ」と気を引き締めた。あと1週間。大横綱の誰もが経験した、しびれる日々はまだまだ続く。【太田尚樹】
  



 デイリースポーツ 3月
<抜粋> 中日 白鵬8連勝!大関とりへあと4
大相撲春場所8日目(19日・大阪府立体育会館)、大関とりを狙う関脇白鵬が大関千代大海をはたき込みで破り、自己記録を更新する初日からの8連勝で勝ち越しを決めた。自身が昇進の目安とする12勝まであと4勝とし、初優勝も視界に入ってきた。横綱朝青龍も黒海を寄り切って全勝ターン。大関栃東は琴光喜を上手投げで退け2敗を死守。かど番大関魁皇は玉乃島を押し出しで下し、星を4勝4敗の五分に戻した。

勢いが止まらない。白鵬は低い姿勢で千代大海の突っ張りをしのぎ、瞬時に二本差す。相手の足が流れたのを見逃さず、タイミング良くはたき込んだ。「早く勝ちたいから引いちゃった。でも、うれしい」。今場所初めての引き技に照れ笑いを浮かべながらも、素直に勝ち越しを喜んだ。

これまで初日からの連勝の自己記録は初場所の「6」。それを「8」まで伸ばし、大関昇進の目標に掲げる「12勝」にあと4勝とした。育ての親の熊ケ谷親方(元前頭竹葉山)は「まわしを取って前に出る自分の相撲に目覚めた」と、初場所からさらに進化した姿に目を細めた。

横綱、大関陣との対戦が控える後半戦へ向け、不安は精神面の疲労だけ。ここ数日間は「なんか興奮しちゃって…」と、なかなか寝つけなかったという。前夜も10時すぎに床に就いたが、結局朝4時まで眠りにつけず、寝坊し、今場所初めて朝げいこを休んだ。

それでも21歳の若者には、そんな重圧をはね返すだけの勢いがある。目標はでっかく今年中の横綱昇進。熊ケ谷親方には真剣な口調で「今年中に横綱になる」と胸中を明かしている。大関昇進は単なる通過点。「今場所で(大関昇進を)決めないと。後じゃ駄目」。そう言い切る視線の先には、はっきりと初優勝も見えてきた。 



 朝日 3月
<抜粋> 中日 白鵬、早くも「大関相撲」 千代大海破り8連勝 
白鵬が大関在位43場所目の千代大海に勝って8連勝、大関昇進へまた一歩近づいた。

当たりを低い立ち合いで受け止めてもろ差し。左から下手投げを打って相手の頭が下がったところを逃さず、首筋を押さえつけて右に回り込みながら倒した。「大関の足が流れて体が倒れている感じだった」と白鵬。千代大海は「向こうが強いから」と伸び盛りの実力を認めるしかなかった。

土俵下で見届けた九重審判長(元横綱千代の富士)は、弟子のふがいない黒星をそっちのけで白鵬をほめちぎった。「余裕がある。立ち合いの当たりが良くなった。横綱相撲だよ」

大関昇進の目安は3場所で33勝とされる。白鵬は05年九州場所で9勝、06年初場所は13勝。この日で「あと3勝」とした。だが北の湖理事長は「21歳と若いんだから一気に優勝を狙えばいい」とさらなる期待を寄せる。「緊張するというより燃えるんじゃないか。最後まで朝青龍との2人の争いになると思う」

ただ、当の本人は「寝ようとすると頭に相撲のことが浮かんできて……」と支度部屋で漏らした。
指導する熊ケ谷親方(元幕内竹葉山)によると、全身から脂汗が出て午前4時まで眠れなかったという。 重圧と無縁に見えるが、初めて感じる「壁」なのだろう。今は「前に出る相撲を続けたい」と白鵬。上位との対決が本格化するこれからが試練の春だ。  



 毎日新聞 3月20日
<抜粋> 9日目 朝青龍、白鵬が9連勝 春場所9日目
大相撲春場所9日目の20日、大阪府立体育会館で行われ、朝青龍は旭天鵬を慎重に寄り切り。白鵬も琴欧州に下手投げで快勝し連日の大関撃破。2人がそろって9連勝とした。

○旭鷲山 (3日目から7連勝)ここまで来たら勝ち越したい。(同じモンゴル出身で大関取りの)白鵬が気になる。テレビ見てドキドキする。  

◇白鵬「20連勝したい」
角界の今後を担うライバル同士の対決は、白鵬が宿敵を破り、また一つ、白星を重ねた。

立ち合いは白鵬が遅れた。琴欧州が得意の右四つに。白鵬は左上手に手がかからず、一か八かの賭けで巻き替えた。強烈に引き付ける琴欧州に寄られたが、ねじ込むように左下手を取ると、すかさず投げを打った。同時に琴欧州も右から上手投げ。琴欧州のまげが一瞬早く土俵についた。見ごたえある投げの打ち合いは四つ相撲に進化を見せる白鵬のものだった。

「立ち合いはだめだった。まわしを切ろうと思ったけど、向こうは力が強い。無理して巻き返しにいった」と白鵬。苦しい体勢から持ち直しての勝利には反省の弁も。琴欧州は、白鵬を意識したかという質問に「(ほかの関取と)何が違う。関係ない」と答えたきり、だまり込んだ。

大関を連破して大関昇進に大きな歩を進めた。指導する熊ケ谷親方(元幕内・竹葉山)は「早く(大関昇進確実といわれる11勝)をクリアしたいだろう」と気づかった。緊張で眠れぬ夜が続いたが、前夜は勝ち越しを祝って酒を飲み、「ぐっすり寝られた」そうだ。

大一番をものにして「勝ったのが一番。(先場所9日目から16連勝目となって)20連勝したい」と白鵬。13連勝。そうなれば優勝の声も出る。【村社拓信】



 サンスポ 3月20日
<抜粋> 9日目 白鵬9連勝、朝青龍も譲らず-かど番対決は千代大海に軍配
大相撲春場所9日目(20日・大阪府立体育会館)大関を狙う関脇白鵬は大関琴欧州を左下手投げで破り9戦全勝。琴欧州は3敗

豪快な投げでライバル倒す-大関の座へ突き進む白鵬
来場所は大関同士の対決となりそうな一番に、互いのライバル心が凝縮された。203センチの琴欧州と192センチの白鵬が、豪快な投げの打ち合い。ともに頭から落ち、まげにべっとりと砂がついた一番は、白鵬の白星への執念が上回った。

立ち合いでがっぷり右四つ。しかし白鵬は上手が引けず、琴欧州に最も力を発揮する左上手を許した。「立ち合いが駄目だった。後がなかった」。左を巻き替えたところを寄り立てられ、俵に右足をかけて踏ん張った。

だがこの後がすごかった。琴欧州の左上手を切り、こん身の左下手投げ。投げを打ちながら右手で相手の左手首をつかむ巧みさだった。

「まわしを切ろうと思って動いた。向こうは足が悪いからね」。右ひざを痛めている琴欧州の攻めの遅さにも救われた格好だが、2大関を連破し、9連勝とした結果こそが大きい。反省が多かった白鵬も「勝ったことが一番」と前を見据えた。

先場所9日目からの連勝は16まで伸びた。「20まではいきたいね」と無邪気に笑った。この目標が達成されれば場所後の大関昇進は確実、そして初の賜杯にもぐっと近づく。後半戦に入って重圧との戦いも始まったが、単なる1勝以上の重みがある白星だ。

○…旭鷲山(3日目から7連勝)「ここまできたら勝ち越したい。(モンゴルの後輩白鵬には)早く大関になってもらいたいね。テレビで見ていてどきどきするよ」  



 読売 3月20日
<抜粋> 9日目 悪い足見て鋭い巻き替え、白鵬目標は20連勝
大きく柔らかな体を生かした寄り、豪快な上手投げ。スケールの大きな勝ちっぷりが印象的な白鵬が、繊細な“芸当”を見せた。

立ち遅れて、琴欧州に得意の左上手をがっちり引かれた。無類の強さを発揮している自らの左上手は取りきれない。朝青龍さえ脅かす大関の形に白鵬は攻め手を欠いたかに見えた。

ところが、岩木山戦でも見せた左の鋭い巻き替えが局面を打開した。巻き替えは相手の寄りを誘うが、白鵬は「大関は足が悪いからね」と、右足を大きく引いて腰を落とし、自信を持って残した。左下手をがっちり引くと逆襲。右を放して左に回り込み、重心が高くなった大関に豪快な下手投げを見舞った。

ともに頭から落ちてマゲに土がべっとり付く際どい勝負。自分も右足一本が支えだったが、右手で相手の左手首をつかんだ分、体勢をコントロール出来た。

2日連続となった大関戦を制した白鵬は「(きょうは)危なかったね」と言いつつ、「今は緊張というより興奮している」と、無敗の後半戦に心地よさを感じ始めた。窮地を脱した器用さで、初場所から続く連勝も16とし、「20まで行きたい」。目標の「12勝」を一つ上回る数字をさらっと言ってのけた。(山口博康)   



 日刊スポーツ 3月日
<抜粋> 9日目 「ぐっすり眠れた」白鵬が9連勝
<大相撲春場所>◇9日目◇20日◇大阪府立体育会館
大関とりに挑む白鵬(21=宮城野)が9連勝した。大関琴欧州に左上手を取られる苦しい展開だったが、もろ差しになると左からの下手投げ。両者とも頭から土俵に落ちる執念の相撲で勝利をもぎとった。
「立ち合いが悪かったけど、うまく巻きかえて左下手が取れた」。中日までの数日間は緊張で眠れなかったが、勝ち越した前日19日夜は「ぐっすり眠れた」とペースも取り戻していた。



 スポーツ報知 3月
<抜粋> 9日目 白鵬初の9連勝
白鵬が、大関昇進で先を越された“ライバル”琴欧州を破り、初日からの連勝を9に伸ばした。右四つから巻きかえてもろ差しになった白鵬が左から下手投げ。両者の体が同時に飛んだが、頭の差で白星を挙げた。「危なかった」頭にべっとり付いた砂も気にせずホッとした様子。先場所から続く連勝は16となり「20はいきたいね」とニッコリ。取組後のインタビューでは「(今場所)全部勝ちたい? できれば」と全勝優勝にも意欲を見せた。

8日目の夜は、自らの勝ち越し祝いと4連敗中だった付け人を励ますため部屋で焼酎を飲んだ。ここ数日は緊張から寝付きが悪かったが、お酒が入り「ぐっすり寝られたよ」と、約10時間近い睡眠で体力も復活。近くモンゴルの両親も来日予定で、士気は上がる一方だ。   



 スポニチ 3月
<抜粋> 9日目 白鵬全勝キープも反省
白鵬が琴欧州を破り全勝を守った。しかし相撲内容については「立ち会いまずった。相手の呼吸に合わせてしまい立ち遅れて左上手を許してしまった」と反省しきり。大関獲りを狙う今場所は緊張の連続で眠りが浅かったが「きのう勝ち越したので今場所初めて焼酎を飲んだ。おかげでぐっすり眠れた」という。先場所からの連勝を16まで伸ばし「20までいきたい」と目標を口にしていた。



 中日スポーツ 3月
<抜粋> 9日目 白鵬、琴欧州に投げ勝つ まげの差 9連勝
大関を狙う関脇白鵬(21)=宮城野部屋=は大関琴欧州(23)=佐渡ケ嶽部屋=を左下手投げで破り9戦全勝。琴欧州は3敗。横綱昇進に後がない大関栃東は安馬を押し出し2敗を保った。横綱朝青龍は旭天鵬を寄り切り9連勝。かど番大関同士の一番は、魁皇(33)=友綱部屋=が千代大海に敗れ、4勝5敗と黒星が先行した。ただ1人1敗だった平幕若の里は2敗目を喫した。1敗が消え、全勝の2人を2敗で栃東、関脇琴光喜ら5人が追う。十両は9連勝の把瑠都が単独トップを守った。

口にはしないがライバル心をぶつけ合った。投げを打った白鵬が、琴欧州もろとも頭から土俵に落ちていった瞬間、会場の興奮は頂点に達した。わずかに琴欧州のまげが先に土俵についた。無傷の9連勝だ。

「立ち合いが駄目でしたね。(琴欧州は)力強いよね。握力が…」。ふっと息をついた白鵬の大銀杏(おおいちょう)は大量の砂をかぶっていた。熱戦の証しだった。危なげない盤石相撲で白星を重ねてきたが、この日はそうはいかなかった。立ち合い、左上手をあっさりと許した。負けじと左上手を探った白鵬だが、巻き返して左下手を取った。まわしを切った琴欧州の左手を右手でつかみながらの、左下手投げで勝負をつけた。

先場所9日目から16連勝。「20(連勝)まではいきたいね」と力を込めた。大関が目の前に迫った。昇進を先に越された琴欧州との対戦成績は5勝3敗とした。宿命のライバルとはこの先、毎場所のようにしのぎを削っていくはず。白鵬は「おそらくそうなるでしょうね」。2人の名勝負が新時代を築く。 (中谷秀樹)   



 サンスポ 3月
<抜粋> 9日目 白鵬が大関連破!琴欧州もぶん投げ9連勝!!
大相撲春場所9日目(20日・大阪府立体育会館)大関とりに挑む関脇白鵬(21)が、大関琴欧州(23)を左からの下手投げで破り、初日から9連勝。初場所から続く連勝を16に伸ばした。賜杯奪還を狙う横綱朝青龍(25)も旭天鵬(31)を寄り切り、全勝を守った。綱とりを目指す大関栃東(29)は、安馬(21)を押し出して2敗を死守。史上最多タイとなる9度目のカド番大関魁皇(33)は、同じカド番の千代大海(29)に押し出され、5敗目を喫した。(観衆=5000)

この相手だけには、負けたくない。同じ外国人力士、出世争いで先を越されたライバルに、白鵬の目に炎が宿った。

立ち合いは頭から突っ込んだ。右四つとなったが、さきに琴欧州に左上手を取られた。それでも、踏み込んで巻きかえてもろ差しになると、左から豪快な下手投げ。「突いていこうと思ったけど、相手に合わせてしまった。前に出ないといけませんね」。激しい投げの打ち合いで、互いにまげが土にまみれる激闘を制した白鵬は、会心の笑みを浮かべた。

琴欧州が大関昇進を決めた昨年九州場所。そこでも投げの打ち合いで頭から土俵へ落ちた。行司軍配は白鵬に上がったが物言いがつき、取り直しの末に敗れた。その雪辱をきっちり晴らしてみせた。

アドレナリンも噴出させた。2月中旬に母国モンゴルへ帰国した際、日本のテレビ局が同行。父・ジジドさん(64)と大草原でモンゴル相撲(ボフ)を取った映像が場所前に放送された。今場所、そのビデオを持参。けいこ後に見て、目に焼き付けている。モンゴル相撲の大横綱だった父と同じように成功したい。早く昇進して、喜ばせたいという思いを保ち続けるのだ。

「先場所から白星が続いている。20までいきたいね」。初場所9日目からこれで16連勝。白鵬が掲げた20まではあと4勝。到達する13日目まで白星を並べれば、大関の座は確実なものとなる。「きのうは久しぶりに焼酎を飲んだよ」。ストレート給金を決めた8日目に酒を楽しんだ白鵬が、場所後は大関昇進の美酒に酔う。(江坂勇始)  

■大関昇進条件
最近は直前3場所、三役で合計33勝以上が昇進の目安とされている。白鵬は昨年九州場所で9勝、初場所で13勝を挙げたため、春場所で11勝以上挙げれば、条件を満たす。だが、3場所前が1ケタの9勝に終わったため、白鵬は今場所前に、大関とりが確実なものとなる12勝を目標に掲げている。 



 デイリースポーツ 3月
<抜粋> 9日目 
白鵬、大関グイッ!欧州撃破
ライバル対決を制したのは白鵬だった。左上手を巻きかえて琴欧州の下手を取ると、すかさず投げを打った。互いに手はつかず、足1本で粘る。相手にのしかかるように倒れ込み、頭には砂がべっとりとついた。

大関昇進への難関を苦戦の末に乗り越えた。「立ち合いが全然ダメ。勝ったことが一番」とつぶやく表情はまるで敗者のよう。中日から始まった大関陣との対戦の厳しさを物語っていた。「できれば残り(6日間)を全勝したい」と、高い目標を立てて気持ちを奮い立たせた。

敗れた琴欧州は報道陣に囲まれても無言を貫いた。ただ、白鵬について聞かれると「(白鵬を)意識?関係ないじゃない」と声を荒らげた。これで対戦成績は白鵬の5勝3敗。史上最短の所要19場所で大関に昇進した琴欧州と、それを追う白鵬。2人の名勝負から今後も目が離せない。  



 日刊スポーツ 3月
<抜粋> 9日目 大関とりへ白鵬が9連勝
関脇白鵬(21)が大関とりへ大きな一番を乗り越えた。出世争いのライバル大関琴欧州との対戦は「立ち合いを失敗しちゃった」と、琴欧州に得意の左上手を許す苦しい展開。白鵬は左上手を引けないまま、いちかばちかで巻き替えに出た。左下手をつかむと、間髪入れずに投げた。192センチと204センチの大男が宙に舞い、両者とも顔から落下。軍配は投げた白鵬に上がっていた。

無傷の9連勝で、先場所から16連勝中。「20まで行きたいね」と、狙うは12連勝。一気に大関当確までこぎつけるつもりだ。

勝ち越した前夜19日は、場所前以来1週間ぶりに焼酎を飲み、10時には就寝した。10時間ぐっすり眠れた。再び緊張はほぐれてきている。「緊張じゃなくて興奮している」。日々開花していく能力と連勝街道の行く末を、白鵬自身が一番期待を持っている。 



 共同通信 3月21日
<抜粋> 10日目 10連勝に「まさか」と白鵬 支度部屋から 
大関昇進に向けすきが見当たらない。白鵬は「うれしい。まさかできるとは思ってなかった」と10連勝を喜んだ。おっつけから前に出て左上手を引き、くせ者安美錦をつかまえるとそのまま力強く寄り切った。「相手にうまくついていけた」と相変わらず良く動けている。11日目は先場所破った朝青龍戦。勝てば大関と初優勝がぐっと近づく。「緊張と言うより、どうなるかだね」と全勝同士の大一番にも自然体で臨む。   



 日刊スポーツ 3月21日
<抜粋> 10日目 白鵬「言うことなし…かな」
<大相撲春場所>◇10日目◇21日◇大阪府立体育会館
大関とりを狙う白鵬(21=宮城野)が、無傷の10連勝で横綱戦に弾みをつけた。安美錦を左おっつけで横向きにさせると、左上手を取って寄り切った。「うれしいですね。まさか10連勝できるとは。言うことなし? なし…かな」と、ほおを緩めた。
11日目は朝青龍との全勝対決。「楽しみと緊張? 両方だね。どうなるかだね」と、人ごとのように話していた。  



 毎日新聞 3月21日
<抜粋> 10日目 ◇モンゴル両雄のV争い…11日目に激突
うまさと速さでこの日もモンゴルの両雄がそろい踏みだ。
白鵬は巧者・安美錦の待ったに幻惑されず、今場所封印していた張り手を初めて繰り出した。差しを狙わず、動きを止める張り手は効果的。左からのおっつけで横向きにして左上手を取った。さらに右も差しての寄り。うるさい相手に理詰めでスキなしの圧勝だ。

一方の朝青龍は、持ち味の速さで翻ろうしてみせる。かち上げの琴光喜に腕をたくし上げるように後ろに回って対20連勝目の送り倒し。かつては3勝6敗と苦手にしていた相手も鋭い動きで全く問題にしない。ちぎって投げるような取り口が影を潜めているが、「一瞬つり落としも考えたけど。まわしがね」とまわしの位置の悪さを説明したように今場所は慎重さが時折のぞく。

11日目に2人が激突する。朝青龍に4日間の大関戦が残っているから、と審判部が杓子定規に割りを組んだのだが、今場所の展開を考慮すれば早すぎるとの声もある。「先場所より一日早いね。わざとかな」と白鵬もいう。だが、横綱を倒しての11勝なら早くも大関当確のバラがつく。

迎え撃つ心境を「先場所、いやな負け方しているからね。お客さんが喜ぶいい相撲を取りたい」と朝青龍。白鵬に投げられて8連覇を逃す一番にしているからだ。初日から11回目の10連勝。過去すべて優勝に結び付けているデータもある。北の湖理事長が「朝青龍がちょっと有利かな。やっぱり立ち合いだね」と見立てる大一番。角界地図の今後が見通せるはずだ。【武藤久】 













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